2016年9月12日月曜日

磁性流体

調布文化会館で行なわれていた電通大の児玉幸子さんの展覧会

磁性流体彫刻とメディアアートのデザイン展

というのを見てきた。


実は彼女はウチの嫁の学生時代からの友人。まぁ,言ったら僕の北大の後輩という位置付けにもなる。北大を出た後,筑波で芸術学の博士を取って,現在電通大の准教授。確か,僕が電通大にいた時分に学位を取って電通大に来たんじゃなかったっけかな?その意味では元同僚とも言える。分野は違うけれども。

2008年だったか,僕がウチのガッコで女子中学生向けの公開講座「テクノガールズ」をやった時にも,ゲストとして来てもらい,加速度で色が変わるデジタルボールを使って参加者と遊んでもらう,なんて取り組みもやったことがある。

彼女が恐らく15年以上も取り組んでいるプロジェクトが今回の目玉でもある磁性流体アートで,僕もこれまでに何度か見せていただいたことがある。

磁性流体は簡単に言ったら砂鉄の液体版みたいなもの。砂鉄は固体の粒が磁界に反応するけれども,磁性流体は液体(コロイド溶液)で,磁石や砂鉄のように磁界に反応するという代物。HDDの防塵シールなどとしても実用化されている。

彼女の仕事はこれをアートとして表現しようというもの。例えば,器に磁性流体を入れ,器の上下などに電磁石を配置して磁界を制御すると,それに反応して液体がトゲトゲになって飛び出すなど,時間とともにいろいろな形状に姿を変える。テクスチャとしては,エナメルみたいな艶のある黒い液体で,これが時間とともに滑らかに姿かたちを変えていく様子は生き物を見ているようで,ずっと眺めていても全然飽きない。個人的には,バビル二世のロデムみたいだなぁ,なんて思ったり。

音楽や照明と連動する作品もあったりして,無機質の液体であるのに,意志を持った新生物のようにゆったりと動く様は美しさすら感じるし,見ているこちらのイマジネーションも刺激してくれる。

今回の展覧会のフライヤーはずいぶん前に送ってもらっていたのだが,なんせ出張だなんだで東京にいない日々が続いていたりしてなかなか時間がとれなかったので,ここしばらくの唯一の休日に行ってきたというわけ。

展覧会は調布駅前の調布市化会館たづくりホール展示室で9月19日まで
もう残すところ一週間なので,興味ある人は是非。

詳細は調布市文化・コミュニティ振興財団のウェブサイトからもご覧いただけます。


2016年9月8日木曜日

プレゼンスキル

昨日,PSUで行なわれた工学系の学生によるスピーキングコンテストというのを見てきた。


前に書いたように,PSUは英語でのプレゼンテーションスキルに関する研究や教育が非常に進んでいる。なんと,先日お会いしたMichael Alley先生からも,著書 The Craft of Scientific Presentations を献本していただけた。


僕らが学生の頃,研究発表などのプレゼンを行う際には,1枚のスライドにどのくらいの情報量を詰め込めるか,というのが一つのテーマだった。オーディエンスは書いてあることのすべてを理解しなくても,知りたいことが常に投影されている Self-contained なものが良いと考えられていたのだ。で,僕も学生には,言いたいことは全部書いておくといいよ,などと指導してきた。

ところが,ここで行なわれているプレゼン指導や上の本では,かなり違ったアプローチが推奨されている。例えば,
  • 1枚のスライドで伝える重要な一つのメッセージが明確であること
  • 箇条書きは使わない
  • 文字を極力減らし,写真や図表で重要なメッセージを伝えること
  • メモを見たり話す内容を暗唱するのではなく,オーディエンスを信用させられるように自信を持って講演すること
などといった感じだ。まぁ,最後は当たり前かな?

言われてみれば,Imagine Cup の時に学生たちが作ったスライドがこれに近かったし(プレゼンは今でもここで見られる),世界大会前の合宿でもそういう指導がなされたりした。TEDなんかのスピーチで使われているのがこれに近いよね。

しかし,これねぇ。言うのとやるのとは大違い。結構大変。スライド作るためにそれなりのイマジネーションも要求される。実は僕も最近はツカミのスライドだけはビジュアル重視にしてみたりとかしているんだが,全部通しで,となるとちょっと気が遠くなる。

もちろん,分野的に不向きな場合もある。理論系でみんなで証明追いましょう,なんて時にポンチ絵ばっかり見せられてもねぇ。ただ,工学系,技術開発系なんかのプレゼンでは,極力文字を減らして図表だけ,できなくもないよねぇ。ぜひ,日本語でも実践した欲しいもんだ。高専プロコンのプレゼンなんかはコレでいけるんじゃないかな?

チャレンジャー,いませんか? > 学生諸君

2016年9月7日水曜日

Penn State

土曜日から米国はペンシルベニア州のステート・カレッジという街に来ている。


目的は本業の出張で,ペンシルベニア州立大(PSU)を訪問して,研究打ち合わせとこちらの英語プレゼン関係の授業見学など。


なんで,僕が英語の授業見学?と思う方もいるだろう。
ただ,僕はウチの英語のホリ先生が代表者の科研費プロジェクトで研究分担者になっていて,英語プレゼン関係の研究テーマも持っているのさ。

で,ちょうどそのホリ先生が在外研究でPSUにいるもんで,そのプロジェクトの経費を活用させてもらって,打ち合わせやら見学やらさせてもらおうという,そういう趣旨なわけ。彼女の今の研究課題は今年が最終年度なので,来年以降の継続のためにこの秋には科研の申請を出さなくちゃいけない。その作戦会議的なこともこっちで行なったりしたのだ。

実は PSU は英語によるコミュニケーションスキルとかプレゼンテーションスキルとかに関する研究や教育では世界のトップランナーらしい。実際に,日本語訳も出ている The Craft of Scientific Writing とか The Craft of Scientific Presentations などの著書で知られる Michael Alley 先生と会って話を聞く機会なんかもあり,なかなか貴重な時間を持てた。

この辺,詳しくはまた別の機会に書くとしよう。

で,せっかくアメリカに来たもんで,副業の方もしっかり取り組んでいたり…


写真は,ダウンタウンからバスで10分くらいのところにある Happy Valley Brewing。ここも含めて,特にビールはそうでもないホリ先生を連れ出して2ヶ所もブルワリーを廻ってしまった。ホリ先生,お付き合いいただきありがとうございます。どうも,すいませんね (^^;;;
こっちについても,また別の機会に詳しく書くかね?


2016年9月1日木曜日

15 years

今日9月1日で,僕が今のガッコに着任してちょうど15年となりました。

早いもんだね。

いろんなことがあったけどね。

そして,あと15年経つと定年だよ…

ううむ,早いもんだね。

どんなことがあるのかねぇ。