2016年8月25日木曜日

地域貢献

月曜日にオーストラリア出張から帰り,一昨日,火曜日は学校で小学生向けの科学講座を実施しました。

ウチのガッコは,小・中学生向けの公開講座コンテンツをウェブで公開(こちらを参照)している。地域の小学校や中学校,教育委員会などがメニューから講座内容を選択し,依頼に応じて実施するようなしくみになっている。学校としては地域貢献の一環でもある。

僕も「暗号のしくみを知ろう」という講座を提供していて,依頼があればできる限り実施するような感じになっているというわけ。

一昨日は,八王子市小学校科学教育センターの理科講座ということで,八王子市内の小学生100人弱が参加。4つのグループに分かれて,1時間ずつ4つの講座を順番に廻るというものだった。ということはこちらは同じ内容の講座を午前2回,午後2回の計4回やらなくちゃいけない。いやぁ,ハードだったねぇ。

そもそも,「暗号のしくみを知ろう」という講座は,もうかれこれ10年弱やっているものなのだが,紙筒を用いてひらがなベースでシーザー暗号ヴィジュネル式の暗号を作ったり解読したりする暗号器を作るというもの。それまで僕の所属する情報工学科では,コンピュータを使った実習とかプログラミングの演習などは実施してきたが,参加した子供が製作物をお土産として持って帰れないなどという話になって,無理くり作り上げたコンテンツだったりする。

いわゆる実用的な暗号ではなく,子供でも手で計算して作れるくらいのものを使っているし,紙工作で作って使い方をマスターすると計算の必要がなく暗号化ができるということで,それなりに評判がいいらしい。


普段は,休憩をはさんで2時間くらいのコースで,簡単な暗号の例を実体験した後,紙工作を行なって,自分で作った暗号器で暗号化と解読の方法をマスターした後,グループに分かれて伝言ゲーム的なことをやって遊んだりしている。

今回は55分間という短縮バージョンなので,内容を圧縮して実施した。工作と使い方のマスターに重点を置いて時間配分したけれど,子供によって作業のスピードにかなりの差があるので,なかなか難しかったね。それに1日4講座というのは子供にもかなりの負担だったみたいで,4回目の最後の講座はかなり集中力を欠いている子供もいたなぁ。まぁ,これは致し方なし。

終わった後に小学校の先生と話したところ,暗号みたいなコンテンツは子供にも人気があるし,パズル感覚で取り組めていいとのこと。実際,小学生向けの本なんかでも暗号が絡んだミステリーや冒険物があったりするもんね。それに実際に講座を実施すると,子供と一緒にやってきた先生方やお父さんなんかの食いつきがすごくいい。ということで,今は公開講座なら成人向けでもやりますよ,という宣伝をしている。あ,成人向けといっても内容は子供と同じですが(勘違いするなよ…

まぁ,評判がいいことは悪いことではないんだが,今回の講座を実施している間に,他の小学校から出前授業の依頼が入ってきたりした。うーむ,こっちとしてはかなり負担もかかるのよね。その上,紙筒も特注だったりするので,それなりに材料費がかかる。本当はラップの芯とかトイレットペーパーの芯とかを使うこともできるのだが,メーカーによって太さが均一じゃないので,使えないというデメリットもある。この辺を考慮して,今後は紙筒を使わない方式にできないかと,今,改良を試みている。

ちなみに,紙筒を使うと,エニグマなんかを復元できたりもするんだよね。全然小学生向けじゃないけど。成人向けコンテンツとして検討するか…(だから,勘違いするなよ!

だけどこれ,紙工作教材として製品化したら売れないかねぇ。講座はやりづらくなるけど。学校の経営上はどっちが得策なんだろ?ご検討ください > 校長,副校長各位


0 件のコメント:

コメントを投稿