2016年4月5日火曜日

違和感


今日はウチの学校の入学式だった。
新入生のみなさんは夢や希望と不安がないまぜになった心境で今日の日を迎えたことと思う。

そんな晴れの日ではあるのだが,沈黙したままではいられなかったので,以下,率直に感じたことを書く。もし,新入生や保護者の方で不快に思う方がいたら申し訳なく思うが,絶対に看過してはいけないことと感じるため,あえて発言することをお許しいただきたい。

話は何かというと,入学式冒頭,新入生入場の際の音楽が「軍艦行進曲」だったのだ。

正直なところ,開いた口が塞がらなかった。

なぜ,この曲でなければならなかったのか?
行進曲であるところまでは問題ないだろう。しかし,数多ある曲の中から,この1曲を選んだ意図はどこにあったのか?誰の判断だったのか?

ウチの学校が単にトチ狂っただけなのか?
あるいは,国から何らかの指導が入ったのか?
はたまた,全国的な風潮なのか?

おそらく臨席した保護者の方々の中にも複雑な思いを持たれた方は多いことと思う。
学生や保護者の中には,様々な思想や背景を持った方がいらっしゃるだろう。
学校として,なぜそこに配慮をした選曲がなされなかったのだろうか?

今日は編入学する留学生,しかもアジア諸国からの留学生も出席している。
そのような学生に対しても,なぜ繊細な配慮がなされなかったのだろう?


実は,同じようなことを最近他でも体験した。


先月,上の娘が小学校を卒業したのだが,その卒業式でも入場の際の音楽に違和感を感じたのだ。その時,子供達の入場とともに流れたのは讃美歌312番,「いつくしみ深き」として知られる曲である。結婚式なんかでもよく使われるからご存知の方も多いはず。

個人的には身近にキリスト者もいるので,今日ほどの違和感ではなかったが,しかし,その場にいた方の中には,様々な宗教観や思想を持った方がいたはずである。そこへの配慮はなぜなかったのだろうか?


例えば,我々が推薦入試などで受験生の面接をする際,個人的思想や宗教観,家族の出自などに関する質問は絶対にNGである。この国ではあまり敏感になれないかもしれないが,肌の色や目の色だって非常に繊細に取り扱われるべき情報だ。

それと同じような配慮がなぜなされないのだろうか?

このような静かな鈍感が蔓延すること,同時多発的にこのような出来事に出くわすことを,とにかくそら恐ろしく感じるのである。

僕らはもっといろいろなことに敏感にならなくてはならない。
いろいろなことに気を配らなくてはならない。

誤解のないように言っておくが,僕はここで音楽そのものに異を唱えているわけではない。音楽に罪はなく,その使われ方が問題なのである。そしてその音楽を配慮なく使用するその行為,さらにはその裏にある見えざる意図静かなる恐怖を覚えるだけである。

僕の言っていることは間違っているだろうか?


.......うん,言いたいことは,まぁ,だいたい書いた。
あとはこれを読んだ人たちがどう感じるかだ。


何はともあれ,新入生のみなさん,ご入学おめでとうございます

みなさんがこれから楽しく充実した学生生活を送り,力を十分に発揮してさまざまな場面で活躍できるよう,僕たちは全力でサポートするつもりです。

仲良くやろうぜ!