2014年12月7日日曜日

Improvisation

スリリングな音の洪水に痺れた。

東京国際フォーラムで行なわれた上原ひろみ The Trio Project の東京公演を見た。


このトリオのツアーは2年ぶり。
去年,Blue Note Tokyo でのチケットは取り損ねたりしたし,東京 Jazz なんかもしばらく行けてないので,彼女たちのライブは僕も2年ぶり。

このトリオ,もちろん,上原ひろみのピアノが主役なんだが,僕がライブに足を運ぶ目的はもう一つある。

サイモン・フィリップスのドラミングを聴くことだ。

ご存知の人はご存知の通り,ジェフ・ベック,MSG,スタンリー・クラークほか,ロックやフュージョンの世界を中心に,錚々たる経歴を持つセッションドラマーであるわけだが,このトリオの聴きどころは,上原ひろみとサイモン・フィリップスのバトルにある,と個人的には思っている。

で,それを中央にいるアンソニー・ジャクソンのコントラバス・ギターがしっかりとつなぎ合わせるというわけ。

サイモン・フィリップスは TOTO でやっていた時なんかは,ちょっと窮屈そうにも見えたんだけど,このトリオでは,決め事が少ないせいもあるんだろうが,自由度の高い,アイディアと驚きに満ちたプレイを聴かせてくれる。もちろん,若い時とはずいぶん違うんだろうけれども,両手を器用に使った,自由でいながら緻密かつパワフルなプレイは,聴いているこっちの背筋が伸びるように感じる。

何と言っても,上原ひろみのピアノとの掛け合いは,ヒリヒリするようなスリルにあふれている

今回のライブも即興演奏の嵐で,この瞬間しか聴けない音,この瞬間しか見られないバトルを堪能することができた。そして,ステージ上の3人もそれを楽しんでいるのが伝わってくる。

やっぱりライブってこうでなくっちゃ。

彼女たちの最新アルバムは「Alive」で,今回のツアーもこれがベースになっている。
Alive はリテラルな意味は「生きている」ってことだが,例えば,A の後にスペースを入れてみると A Live と読むこともできたりする。
これは僕の勝手な解釈だけれど,そう考えると,毎回毎回のライブが彼女たちにとって,その時しかないライブなんだな,ってことが再確認できる。
一期一会ってやつかね?


そうそう,僕は,学校の授業もアドリブが命,というのが持論で,自分でも授業のことをライブだとか言っていたりすることもある。
授業もライブと一緒,その日と同じことは二度とできない
このブログでも偉そうに


なんてことをいけしゃぁしゃぁと書いたこともあった (^^;;;
だから,学生諸君は,もったいないから居眠りとかしちゃいけない。

しかし,学校ってところは意外と(TOTO 以上に??)古典的な決め事が多いし,さすがに,彼女たちのライブみたいなスリルにあふれた授業は今の僕にはできない。

ま,まだまだ修行が足りないってことですかね?
(いったい,何をやらかそうとしてるんだよ…)


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