2014年12月28日日曜日

2014旅行の記録

今年もいろいろ旅をしました。
学校の内外を問わず,社交辞令のように

いつもどっか行ってるねぇ

とか

授業は大丈夫なの?

とか言われております。そこは大丈夫です。多分。
で,今年1年どのくらい飛び回っていたのかを整理してみようと思いました。
多分,みなさんが思っているほどじゃないんじゃないかと。。。

こう見ると,3月はおいといて (^^;),夏以降,後半がすごいことになってるな。

ちなみに,内訳は...

1月(9):出張(4):仙台・盛岡,その他(5):札幌
2月(3):出張(3):都内×3
3月(23):出張(21):金沢3,名古屋2,新潟2,メルボルン12,都内1,相模原1
     その他(2):伊勢
4月(1):出張(1):相模湖
5月(6):出張(6):大阪2,群馬1,都内×3
6月(6):出張(6):都内×6
7月(11):出張(8):函館4,神戸2,都内×2,その他(3):大阪
8月(19):出張(9):一関3,金沢4,都内×2,その他(10):名古屋2,札幌8
9月(18):出張(12):高知3,河口湖2,徳島4,都内×3,その他(6):横浜
10月(19):出張(17):一関6,メルボルン・ホバート9,都内1,幕張1
     その他(2):大阪
11月(13):出張(13):ホバート7,長野3,福岡3
12月(12):出張(7):宇奈月4,豊橋1,都内×2,その他(5):札幌

というわけで,1年間合計で出張が107日,その他が33日,合計140日間でした。
ま,1年の4割弱は旅に出ているような計算。やっぱ多いか。

ただ,3月とか8・9月とか,いわゆる長期休暇中のものも多いし,土日に出ている
こともあるので,いわゆる「授業がある日」の出張に限れば,たったの43日
授業が週5日×30週で150日間あるとすれば,それの1/3 まではいかない。
んんんん,意外と少ないことをアピールしようと思ったが,やっぱ多いな。

でも,ほら,そこはそれ,実際には半日授業とかやって,午後移動とか,
そういうのもあるからね,モゴモゴ…

まぁ,たぶん,来年はここまでにはならないと思うけどねぇ。


2014年12月7日日曜日

Improvisation

スリリングな音の洪水に痺れた。

東京国際フォーラムで行なわれた上原ひろみ The Trio Project の東京公演を見た。


このトリオのツアーは2年ぶり。
去年,Blue Note Tokyo でのチケットは取り損ねたりしたし,東京 Jazz なんかもしばらく行けてないので,彼女たちのライブは僕も2年ぶり。

このトリオ,もちろん,上原ひろみのピアノが主役なんだが,僕がライブに足を運ぶ目的はもう一つある。

サイモン・フィリップスのドラミングを聴くことだ。

ご存知の人はご存知の通り,ジェフ・ベック,MSG,スタンリー・クラークほか,ロックやフュージョンの世界を中心に,錚々たる経歴を持つセッションドラマーであるわけだが,このトリオの聴きどころは,上原ひろみとサイモン・フィリップスのバトルにある,と個人的には思っている。

で,それを中央にいるアンソニー・ジャクソンのコントラバス・ギターがしっかりとつなぎ合わせるというわけ。

サイモン・フィリップスは TOTO でやっていた時なんかは,ちょっと窮屈そうにも見えたんだけど,このトリオでは,決め事が少ないせいもあるんだろうが,自由度の高い,アイディアと驚きに満ちたプレイを聴かせてくれる。もちろん,若い時とはずいぶん違うんだろうけれども,両手を器用に使った,自由でいながら緻密かつパワフルなプレイは,聴いているこっちの背筋が伸びるように感じる。

何と言っても,上原ひろみのピアノとの掛け合いは,ヒリヒリするようなスリルにあふれている

今回のライブも即興演奏の嵐で,この瞬間しか聴けない音,この瞬間しか見られないバトルを堪能することができた。そして,ステージ上の3人もそれを楽しんでいるのが伝わってくる。

やっぱりライブってこうでなくっちゃ。

彼女たちの最新アルバムは「Alive」で,今回のツアーもこれがベースになっている。
Alive はリテラルな意味は「生きている」ってことだが,例えば,A の後にスペースを入れてみると A Live と読むこともできたりする。
これは僕の勝手な解釈だけれど,そう考えると,毎回毎回のライブが彼女たちにとって,その時しかないライブなんだな,ってことが再確認できる。
一期一会ってやつかね?


そうそう,僕は,学校の授業もアドリブが命,というのが持論で,自分でも授業のことをライブだとか言っていたりすることもある。
授業もライブと一緒,その日と同じことは二度とできない
このブログでも偉そうに


なんてことをいけしゃぁしゃぁと書いたこともあった (^^;;;
だから,学生諸君は,もったいないから居眠りとかしちゃいけない。

しかし,学校ってところは意外と(TOTO 以上に??)古典的な決め事が多いし,さすがに,彼女たちのライブみたいなスリルにあふれた授業は今の僕にはできない。

ま,まだまだ修行が足りないってことですかね?
(いったい,何をやらかそうとしてるんだよ…)


2014年12月6日土曜日

ジグソー法

今日は朝から「学びのイノベーションフォーラム」というのに参加してきた。

学生主体の教育形態であるアクティブラーニングが叫ばれて久しいけれども,
最近ちょっと思うことがあって,
アクティブラーニングやら反転授業やらといったことについて,
いろいろ調べたり考えたりしている。
何を思ったり考えたりしているかは,大人の事情で詳しくは話さないけれども (^^;;

さて,今回これに参加した一番の動機は,午前中に行われた
ジグソー法」のワークショップに参加すること。

ジグソー法というのは,まさに学生主体の授業形態の一つで,
授業の中で,異なる教材で学んだり,資料を読んだりした学生が
それぞれ得た情報を交換し合い,議論する中で,知識を獲得していくというもの。
ちょうど,ジグソーパズルの違ったピースを持ち寄って,
一つのものを作り上げていくようなイメージ。
より正確には知識構成型ジグソー法と呼ぶべきものらしい。

いろいろな実践例,実践法があるようだが,
今回のワークショップで採用され,僕が実体験してきたものは次のようなもの。
(各項目の赤字は今回のワークショップで使用された実例)
  1. 「つかみ」が提示される
    (例) 濡らしたペットボトルに,火のついた線香を入れた後,
      ピストンで中の空気を抜くと,ペットボトルの内部に
      「くもり」が生じる様子を観察する。
  2. 問題が提示される
    (例) 「雲ってなんだろう?」
  3. 授業前に自分の考えをまとめる
    (例) 雲とは科学的にどのような現象か,自分なりに考えてみる。
  4. 各学生グループ毎に異なる教材が与えられ,それに目を通す。
    (例) 全体を3つのグループに分け,それぞれのグループに次の教材を提示
      「空気の体積と温度」「空気中の水蒸気と温度」「すがたを変える水」
  5. 同じ教材を得た学生が小グループを作り,2. で提示された問題を議論する。
    (例) 上の3つの教材ごとに3〜4人のグループで議論。
  6. 異なる教材を得た学生で小グループを作り,2. で提示された問題を議論し,
    グループとしての考えをまとめる
    (例) 異なる教材を得た3人が一つのグループを作り,議論。
  7. 各グループが議論した結果を発表し合う
    (例) 雲が科学的にどう発生するかを発表し合う。
  8. グループでの議論や発表を聞いて,自分の考えを整理する(レビュー)
    (例) 各学生が雲とは科学的にどのような現象か,考え直し,
      授業前の3. で考えたことと比較する。

今回のお題は中学校1年生くらいを対象にした理科だったのだが,
これはお題の設定によっては,いろんな科目でも実践できそうだ。
なるほどね,と思ったね。

今回の参加者は,小中高の先生なんか,つまり大人がメインだったので,
こういう物理的な現象にはそれなりに固定観念があったりするんじゃないかとも
思ったんだけど,7. のグループごとの発表では結構いろいろな見解が出てきて
面白かった。楽しかったね。

ただ,正しい答えが一つしかない問題を考えたりするときにどうすればいいかとか,
試験で合格点が取れるような学習がこれで可能なのかとか,
そういう不安を覚える向きもあるかもしれない。
だけど,そこが教員側の腕の見せどころで,お題の設定,教材の作成をうまくやれば,
いろんなことができるんじゃないかと思う。

もちろん,同じ科目の中でも,この方式が適したケースとそうでないケースはある。
この授業はアクティブラーニングですよ,と謳ったとしても,
その日の内容によって,いろいろな手段があるから,単元の内容によって
何がふさわしい方法かを見極めるのも教員に求められるスキルなんだろう。

さらには,学生の発表を聞いたり,議論の内容を観察する中で
教員側が新しい問題に気づいたりすることもあるだろうなぁ,と想像した。
この辺も面白いところだろうね。


最初に,僕は最近いろいろ思ったり考えたりすることがあると言ったけれど,
結果として,自分の考えを確認したり,新しい発見があったりした。
いくつか情報収集もできた。
今回のワークショップは,いわゆる中等教育,
小中高をターゲットにしていたように聞こえたけれど,
これって別に大学や高専のような高等教育でも十分に実践できると思う。
その意味で,今回は参加してよかったね。それなりの成果が得られた。


ここまで読んで興味を持った人は,
以下のページを見てみるといろいろ資料が置いてある。
なかなか面白いものも転がっているよ。


 大学発教育支援コンソーシアム推進機構(CoREF)


さてさて,これをこれからどう料理しようね。