2014年5月21日水曜日

素材と音質の関係

発注してた CD が 2 枚まとめて届いた。陽水さんの氷の世界40周年記念エディション,それに上原ひろみの新作。

 
さて,中身はこれからゆっくり聞くとして,今日問題にしたいのは,CDの中身ではなく,規格の話。

上原ひろみは Telarc から作品をリリースしているが,日本での販売元はユニバーサル。
ユニバーサルは去年あたりから高品質なCDとして,純プラチナ反射膜を使ったハイエンドディスクとかいうのをリリースしている。これもその一つらしい。

これがよくわからない。

アルミよりも化学的に安定しているプラチナを使うから,レーザの乱反射が少なくなるので,ピックアップが正確になり,誤りが起こりにくいんだという話。これは理解できる。

しかしだ。宣伝文句には次のようにある。


プラチナ微粒子薄膜の抜群にきめ細かい特性は,CDのピットを最大限正確に,
かつ表面をきわめて平滑に形成することを可能にしました。
これにより,CDプレーヤーは記録された音楽情報を鮮度そのまま
微細もらさず読み取ることができます。
突き抜けるようなクリアネス,
極太なダイナミクス,
滑らかなタッチ,
雄大なステージ,
繊細なアンビエンス,
圧倒的なリアリティなど,
その音質はプラチナの持つ高品位なイメージそのまま。


???

「記録された音楽情報を微細もらさず読み取ることができる」までは理解できる。だから,符号で訂正しなければならない誤りが少ないってこともわかる。しかし,だからといって,クリアネス,ダイナミクス等々がなぜ向上するのだ?

プラチナを用いることで誤りが減った分,量子化ビット数を増加させて,収録可能な情報量を増やすことができるんなら,理解できない事もないが,どうやらそういうことではないらしい。

 一方,このディスクはプラチナ薄膜を使うだけではなく,サンプリングレートが高く,量子化ビットも大きい高解像度なWAVE/AIFFファイルから,マスターディスクに落とすのではなく,直接ディスクをカッティングする「HRカッティング」なる技術を使っているのだという。

音質が向上している原因はプラチナではなく,どっちかってと,このHRカッティングの方なんじゃないんですか?

ってか,カッティング技術そのものより,44.1kHz/16bit でマスタリングするのではなく,サンプリングレートが 4 倍の 176.4kHz,量子化も 24bit という高解像度でデジタル音源を作っているわけだから,こっちが直接の原因なんじゃないか?という気がするんだけど,違うのか???

純プラチナ薄膜を使ったから,初めて高解像度なHRマスター音源を得ることができたってんなら,理解できるんだけど,そんなことはどこにも書かれていない


というわけで,僕が誤解しているのかもしれないけれど,ディスクに使用した物質と音質がどう関係しているのか,ちょっと考えただけでは理解できない。

誰か,プラチナ薄膜と音質の関係,理論的に正確に教えてくれませんか?


素人にもわかるように説明しようと試みたけれど,肝心のところをごまかしてしまったために,何のことかまったくわからなくなってしまった典型的な例のようにも思えてきたけれど,どうなんだろ?


技術者を目指す諸君,一般のユーザには難しいことでもそれを平易に,かつ正確に伝えることが重要なのだよ。

ま,単に僕が誤解しているだけなら,悪いなぁと思わないこともないけれど,そういうミスリーディングを起こしかねない表現を使うのは,やっぱ感心しないよねぇ。


2014年5月2日金曜日

若づくり

夏物の薄手のジャケットをクリーニングに出していた。ちょっとピンクがかった薄い色のジャケット。そうそう,右のプロフィール写真で着ているやつですわ。

行ったのは,近所にある古いクリーニング屋で,伝票もいまだに手書き,ものによっては仕上がりが2週間以上先になるといったような,いまどき化石のようなクリーニング屋。しかも,洗濯自体はここでやっているのではなく,一日数回,ピックアップと配送が入っているような感じ。ただ,他よりちょっと安いのだけが魅力。

で,前に他のスーツやらなんやらと一緒にこのジャケットも預けていたんだが,前に取りに行ったときに他の物は全部終わっているのに,これだけまだ届いていなかったんで,昨日取りに行った次第。

で,ちょうど受け取った時に,クリーニング担当のおばちゃんが配送にやって来て,次のような会話になった。以下,赤がおばちゃん,緑が僕。

  「あら~!きれいな色のジャケット!!」

  「そうですか?ありがとうございます。」

  「これなんかだと,下はどんなん合わせるんですか?」

  「え?…えっと,やっぱり薄い色のパンツですかね?ただ,ジーンズなんかも多いけど。」

  「へー。若い人はいいわねぇ,こういうの着こなせるから。」

いやいや,着こなすとか,そんなんでなく…大して珍しいものでもないとは思うが。

てか,そもそも,もうそんなに若くない。しかも,ちょうど昨日また一つ歳を重ねたしさ。
まぁ,少なくとも,おばちゃん達よりはいくぶん若い(と思う)が…

ただなぁ,昔から歳より若く見られることが多いんだよねぇ。
学生のときなんか,ある先生に

  「コジマ君は,顔がコドモなのよね~」

とか言われる始末。

ふん,すいませんね。微妙に若づくりでさ。


追伸: そういえば,「若造り」ってイカの塩辛あったね。あれって北海道ローカル?