2011年11月18日金曜日

仕事

学校というところにもいろんな仕事がある。

授業と学生の研究指導が我々の本分だろうけれども,それ以外にもいろいろな仕事がある。僕にしたって,今年は,副学科長だ,国際交流委員長だ,教務委員だと,いろいろやっている。その中にウチの学科の2年生の副担任というのがある。

担任は英語科のムライ先生。ムライ先生とは,他でもいろんな仕事を一緒にした経験があるし,Steely Dan が好きだったりと音楽の趣味もちょっと似ているので,まぁ,それなりにやりやすい部分も多い。(笑いのセンスは,あんまり合わないんだと思う。たぶん。)

クラス担任の仕事というのも多岐にわたるわけだけれども,ウチのクラスの場合,おおよそ,学生指導は担任のムライ先生がリードして,僕は専門科目とか学科からのアプローチに関してサポートすることが多い。それに,学生とか保護者のメーリングリストだとかクラスのウェブページだとか,その辺の雑用も成り行き上,僕がやることになる。これに対して,ムライ先生は

いつもお願いばかりですが,
本日もいろいろとお願いをしていてすみません。 

とか,

本当にいろいろと頼むばかりですから,
「この先生の副担になるのはつらい!
他の人にはやめるようアドバイスしたい!」
などと 「コジマのボヤき」に書かれるのではないかと大変心配です。

などと言ってくれちゃったりするものだから,憎めない。しかも,僕自身,ムライ先生にかなり丸投げしてしまっている仕事もあるので,こんなこと言われてしまうと,かえって恐縮してしまう。

事実,学生に関わる仕事が嫌だったらこんな職業についてられないわけだし,仕事の負担にしたって,他に僕がやっているものと比較したって,それほど多かったりキツかったりするわけじゃない。正の担任の先生の方が,いろいろと心労は多いと思いますよ,ムライ先生。

そもそも物理学の概念からすると,仕事ってのは

ある物体が別の物体に力を加えることで移動したエネルギー

に相当するわけで,仕事をするってことは,何らかの力に逆らって,結果としてエネルギーを失うのだと考えれば,どんな仕事だって,楽であろうはずがない。仮に仕事がキツかったり辛かったりしても,ドライにこのことを理解した上で,生活を支えるために仕事をしているのだと考えれば,まぁ,それなりに納得も行くというものである(…行くかな?…)。

しかし,僕らが抱えている仕事には本当にいろんなものがあって,人より仕事の量が多かったり,仕事の質がキツかったりしたって,仕事に対する「対価」,すなわち給料が増えるわけではないんだな。まぁ,それでも学生とか保護者の方に感謝されたりすれば,報われた気持ちにもなるけれども。ただ,そうは言っても,「対価」がフェアに支払われていないよなぁ,と思うことは多々ある。

例えば,学会の仕事。僕もいろいろやっているけれども,基本これらはボランティア。学会からおカネが出ることはないし,そのことを承知でやっているから,ボランタリーであることに対する不満はない。しかし,ウチの学校では,ボランティアであっても学外の仕事である以上「兼業」扱いにされてしまう。つまり,他の大学なんかで非常勤講師をしているのと扱いは同じ。「兼業」の場合,対価は兼業先から支払われる,という解釈なので,ウチの学校からは電車賃も含め,ビタ一文出ない。非常勤なら,行き先の学校から謝金や交通費が出るだろうけれども,学会の仕事の場合は,何も出ない。電車賃も自腹。そもそも,兼業の場合は,出張の申請すらできない。理屈はわからないでもないけれど,なんか釈然としない。

それに,今,僕が学内でやっている「ある仕事」。これ,内容的にも結構タフな仕事なので,給与以外にも「エクストラな報酬を与えてもいいのではないか」という話が出たことがあるらしい。しかし,そんな話が一回出ただけで,決定されたわけでないどころか,キチンと検討されたわけでもないらしいから,今現在進行形の僕の仕事に対する対価は一切支払われることはない。早いとこ前向きに検討して,過去 5 年分くらいさかのぼって払ってくれないかなぁ?などと思わないこともないんだが,それはないものねだりというものか…

ボヤきが過ぎました…


しかし,あれよね。同じように「ある力に逆らってエネルギーを消費」したとしても,仕事と研究とはちょっと違う。研究成果を得ることによる達成感や満足感は,仕事が終わることで得られる満足感とは根本的に違う。エネルギーを消費したとしても精神的に受ける負担の質が違う。その意味では,研究は仕事と趣味の間にあるのかなぁ。ある種,趣味の延長が職業になっているのだと考えれば,それはそれで幸せなことかもしれない。

ちなみに,ボクの PC には,Study と Work というフォルダがあって,一応,仕事と研究を分けている。何を Study に入れて,何を Work に入れるかは,僕の気分次第。ときどき,

うー,これどっちだ?

と迷うものがあるような,ないような…


3 件のコメント:

  1. お世話になり誠にありがとうございます。2jの父兄です。
     
    いつも感謝いたしております。有難う御座います。

    面白いブログですね。

    正の担任の先生の声が聞こえてきそうです。

    だって、【Dばかりですよ】と、お電話でお話しする機会が多いのですから。

     勉強より食べることしか頭にないらしい・・・

    久々にスティーリーダン 聞きたくなりました。

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  2. 恐れ入ります。

    食べることは悪いことではないですが,摂取したエネルギーをキチンと消費して欲しいですね。

    懇談会の際など,お気軽にお声をおかけください。

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  3. むむむーっと読みました。このところ、私もよく考えていることなので。ウチのブルーワー達も、ビールが好きで好きで、ブルーワーになり、新商品開発のためには色々と飲まねばならぬ、業務時間外にも、色々なバーに行き、ビアフェスには顔をだし、ビア・アンバサダーだものね、だから仕事の延長なんです、これも、と言います。仕事に情熱を持って臨むには、ペイがものすごく良いか、自分の好きなことの延長か、どちらかなのでしょうか。確かに、ハービーもStudyとWorkの振り分けに日々悩んでいます。1日12時間労働はほぼ当たり前の日々を過ごしていますからね。でも、How are you?という問いかけにはいつも、I am excited!と答えている彼はやはり大好きなことを仕事にしたとてもラッキーな人なのかもしれません。

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