2009年11月24日火曜日

抗議と悲しみと

えー,民主党政権が暴走していますね。
事業仕分けです。民主党がマニフェストに書かなかった政策,事業に関しては何でもかんでもすべて削れ,という感じですね。我々,高専や大学の教員にとっても,科研費補助金などが削減,廃止の対象になっていると聞けば,他人事ではないです。予算枠を拡大したり,補助金の使途を緩和して使いやすくするのなら話はわかるが,削れというのはやっぱり同意しかねます。どれだけ研究者の首を絞めれば気が済むのか。この国の政府は,科学技術の発展だとか,国としての知力,技術力の向上なんてことには興味がないとしか思えませんね。大学をはじめとする高等教育機関や研究機関がこの国から姿を消してしまっても,彼ら政治家は心を痛めるどころか,やっかい払いができてせいせいした,と考えるんじゃないだろうか?
以前も書いたけれど,今,研究者を目指そうという学生たちは未来の夢を見られずにいます。大学院に進学して,博士の学位を取れたとしても仕事がない。なんとか仕事にありついたとしても金がない。何も何億とか何千万とかいうカネをよこせと言っているわけじゃない。僕なんかがやっている理論系の研究では,高価な装置を買うわけじゃないから,1年に数十万から100万程度の研究費があれば,自分と学生の研究設備を整備するくらいはできる。設備ったって毎年買い替えるわけじゃないから,2~3年に一度,さらに数十万くらいの上乗せがあれば十分やっていける。民間の補助金もないわけじゃないけれど,この程度は国が補助して当然だと考えるのは現場のエゴですか??そんな無理な要求か???大学教授や研究者をこんなに魅力のない職業にしたのは誰だ?? 我々に責任の一端が全くないとは言わない。世界に誇れるような研究ばかりしているわけじゃないし,中には悪事を働いた研究者もいるわけだから。しかし,そのことが一律に研究費を減額したり削減したりということの理由になるとは到底考えられない。
この国は,志の高い若者たちの夢を奪い去ろうとしていることを自覚しているんだろうか?? これが本当に一度は学者を志した首相のすることなのだろうか??
今の政府はマニフェストを守ることだけに固執するあまり,周囲や先のことがまったく見えていない。マニフェストを守るっていったい何だ?? 票を投じた有権者だって民主党のマニフェストに100%賛成だったわけじゃないだろ。他の政党と比較した結果,多少マシだと思って投票しただけだろう。事業仕分けの前に,自分の政党のマニフェストを仕分けた方がいいんじゃないか?? マニフェストを守りとおして有言実行だということで次の選挙につなげようというアタマもあるのかもしれないけれど,こんなことやっていたら,味方どころか敵ばかり作って,1期もたずに失脚するかもよ。
....さて,怒りはこの辺でおさめて....と。今日は一つ悲しい知らせが届きました。学生時代,地元札幌で一緒に映画祭運営のボランティアをしていた方が亡くなったそうです。亡くなったのは1ヶ月ほど前。今日,奥様から喪中はがきが届きました。僕が学生の当時で既に60代も後半だったはずだし,86歳ということでご高齢だったわけですが,やっぱり寂しいですね。世代は違っても同じ志で同じ目的に向かって力を合わせた仲間でもあるわけですから。ほとんど素人であった僕にいろいろなことを教えてくれたのが懐かしく思い出されます。ご冥福をお祈りいたします。

0 件のコメント:

コメントを投稿