2009年10月25日日曜日

有終の美

 全国高等学校デザイン選手権の決勝大会が終わりました。会場は東北芸術工科大学。さすが,建物のデザインにも特徴があるし,なんと,水上の能楽堂まであるという…薪能とかするらしいですよ。水面に火が映ってきれいなんだろうなぁ。
今日は午後から本番ですが,午前中は写真撮影とか入場のリハーサル。その合間をぬって最終の練習を行ないました。ウチのチームの発表は9チーム中,8番目。他のチームの発表を大方見てからプレゼンをすることになります。それが吉と出るか凶と出るか....ウチのチームの作品は「説明書デザイン賞」と言って,わかりやすく面白いマニュアルを作った企業(製品)を表彰して,シンボルマークを付けることで,マニュアルを能動的に読む人を増やすだけでなく,商品の流通を促し,経済の活性化をもくろもう,というものでした。
....で,結果ですが,本校チームは上位3位までには入れなかったものの,企業賞として毎日新聞社賞を受賞しました。この大会には,優勝,準優勝,3位,毎日新聞社賞に加え,投票で受賞が決まる市民賞と高校生賞があります。したがって,受賞できるのは最大で9チーム中6チームだけ。結果として,準優勝のチームが市民賞と高校生賞を含めた3冠に輝いたので,ウチが毎日新聞社賞を取ったということは,表彰されたチームは4チームのみ。そういう意味では価値が高いと思います。学生たちは,ホントに良く頑張ったと思います。プレゼンテーションでは,小芝居(学生たちは茶番,ボクはコントと呼んでた...)をしなくちゃいけなかったし,慣れないことも多かったと思うけれど,よくやってくれました。まだまだ1年生だし,ちょっと悔しい思いもあるようだし,これからどんなことに挑戦してくれるんだろうかと,少し楽しみです。ただ,来年は僕が外国に行っていて指導できないので,それが心残りではあります。
ちなみに優勝したのは九産大付属九州高校の「故人との思い出の取り扱い」というタイトルで,位牌の形をしたUSBメモリを作って,亡くなった人の写真や映像を保存する,という提案。また,準優勝で3冠に輝いたのは,地元山形の新庄神室産業高校の「食べる絵の具 ハピ・ベジ」と言って,野菜と果物のピューレを絵具のようなチューブに入れて,パンやピザの上に絵を描いたりして食べるという,子供向けの食育に関する提案。プレゼンを見ていてこの2校には勝てないな,という印象を持っていたので,そういう意味では企業賞にもぐりこめて良かったんじゃないかと率直に思います。
しかし,いわゆる形や色のデザインではないと言いながら,さすが上位校はきちんとモノを作ってきています。これは今後,ウチの取組にとっても課題ですね。高専チームとしては,アイディアだけではなく,この辺をきちっとやると,デザインの世界にも一石を投じることができるかもしれません。そんなことを考えると,このコンテスト,今後もチャレンジしたいという気持ちが,学生ならずもしてきますね。
このコンテストでは,書類選考通過後,シナリオなどを作り込む段階から,芸工大の学生さんがチームサポーターとして付いてくれます。本校に付いてくれたのは,3年生の清井(せいい)さん。最後は学生たちから感謝の気持ちを(背中に)伝えられていました。写真はその結果で,ウチのチームの作品に出てきたゆるキャラ「よーみん」が描かれています。清井さん,約束通り写真載せたよ!また再会するのを楽しみにしていますね!!
表彰式後の交流会では,審査委員長で「おくりびと」で知られる脚本家の小山薫堂さんや脳科学者の茂木健一郎さんとも話ができて良かったです。小山さんはウチのチームの作品を3位に推してくれていたらしい。彼は放送作家時代にテレ朝の「トリセツ」って番組の構成をやってたしなぁ。そういう意味では「風は吹いていた」んだよなぁ。茂木さんには,「先生はどんな分野で学位取ったんですか??」って訊かれたので,「ニューロコンピューティングでボルツマンマシンやってました」って言ったら,「僕もボルツマンマシンやってましたよ」だって。
10泊11日の出張ツアーも,木更津プロコンでの優勝,国際会議IWSDA'09の成功,デザセンでの受賞と僕にとってはうれしいことづくめでした。肉体的にも精神的にもきつかったけれど,こういううれしい思いをするからやめられませんね。明日はやっと家に戻れます。

0 件のコメント:

コメントを投稿